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トランスコンバット技能/設定補足

  • 関連するPCやNPCの増加、セッションでの設定の広がりを踏まえて現在のところの情報をまとめてみたものです。
  • 作成者:ふゆたに
  • 23/09/23:正式に採用しました(TEK)

「調律」と「調律師」について Edit

 ラジャスをもつトランスコンバット達は一般的に、「調律」を必要とします。調律とは、ラジャスのもつ変身の力を、適切なタイミングで、適切な出力で発揮するために必要なもので、メンテナンスのようなものです。アーベ公国にラジャスの技術が広まった当初は、「調整」や「調和」といった表現が用いられましたが、現在ではより現地での表現に近い言葉として「調律」と呼ぶのが一般的です。併せて、他者のラジャスを調律する技術をもつ者たちを「調律師」と呼ぶのです。

 調律の技術は、基本的にソーサラーの魔術である「真語魔法」に立脚していますが、自身が高いレベルでラジャスを習得していて、深い知識と経験を有することで他者のラジャスを調律できるようになることもあります。また、調律の際には真語魔法によるアプローチの他、より効率良く行うために視覚や聴覚、嗅覚のような五感に働きかける要素を併せて用いることも一般的です。例えば、独特なパターンを見せたり、音楽を奏でたり、香を焚いたりと、調律師の特性に合わせた様々な方法があるのです。

 これらの調律技術は、ティテュス地方でラジャスを一般的な技能として用いていくにあたり、当時のソーサラー達が考案したものが元となっています。ティテュス地方では、「ラジャス」は深淵勢力の技術を元にしたものであり、そのまま星霜勢力の戦力として用いるにはあまりに危険であったといわれています。ラジャスの構造や作用を魔術的に分解、理解、構築するために、真語魔法が用いられたのです。それ故に、ティテュス地方に由来するラジャスの技術の多くは、真語魔法に立脚しています。深淵の魔法技術であったラジャスを星霜社会で再現し、星霜種族の体で安全に発揮させるためには、これらの技術が必要不可欠であったのです。

 調律を要するまでの期間については、かなり大きな個人差があります。例えば、過去に変身病を患ったような不安定なラジャスをもつ戦士は、ある程度頻繁に調律を要する例が多いです。一方で、個人の素質やラジャスの特殊性によって、ほとんど調律を必要としなかったり、調律を要するまでの期間が大変長かったりすることもあります。これらの違いについては現在も研究が進められていますが、パンドラム共和国ではそもそも調律師を要しない「自己調律」という技術があります。ラジャスの安定化には、必ずしも調律師による外的、魔法的アプローチが必要であるというわけではないのです。

「自己調律」について Edit

 「自己調律」とは、パンドラム共和国で「聖刻」をもつ戦士達に一般的な調律方法です。
 パンドラム共和国内では、聖刻をもつ戦士たちの中に「聖刻闘士」という社会的立場もあります。「聖刻」と「ラジャス」の由来の違いにはまだまだ明らかになっていないところがありますが、発揮できる力にはほとんど違いが無いため、現在ではそのどちらもトランスコンバット技能として扱われています。

 しかし、調律方法においては大きな違いがあります。聖刻をもつ者たちは、調律師に頼ることなく、自身の精神力を元に調律を行います。彼らはほとんど日常的に、一定の時間をかけて自身の聖刻を安定化させる方法を身につけているのです。一般的には、精神統一や瞑想のような方法で、その他にも道具を用いたり、占星術を利用したりと、戦士の特性に合わせた様々な方法があります。調律師を不要とするその様は理想的のようにも思えますが、実際には自己調律を習得するに至るまでに長い訓練を要するものが多いようです。また、戦場において自身の精神そのものが不安定な状態に至ってしまうと、自己調律が機能しなくなるという可能性もあるでしょう。

 現在では同じ技能と見做されている2つに、なぜそのような違いが生まれたかということについては、歴史的、社会的な要因が大きいといわれています。パンドラム共和国では、聖刻は長く続いた平和の中で長く継承されてきた技術であり、聖刻を継承される者というのは、社会的にも認められた立場のある戦士達です。そんな戦士達が自己調律を当然とする背景には、「武器を扱うということは、武器で戦うことだけでなく、己の武器は己で直し、鍛えることまでできて一人前である」という社会的常識があったのです。
 逆に言えば、パンドラム共和国には一人の聖刻をもつ戦士を生み出すにあたり、それだけの時間をかけて肉体にも精神的にも成熟させるだけの余裕があるほど、長い平和が続いていたということでもあります。一方で、長い戦乱の中にあったティテュス地方では、一人のラジャスの戦士を生み出すにあたり、それほど時間をかけることはできません。日常的に戦場に留まり続ける前線のラジャス戦士が自己調律をすることは現実的ではなかったでしょうし、武器を振るう戦士と、武器を直す鍛冶屋とはそれぞれ専門化するほうが効率的であったのです。

 なお、ラジャスの戦士が自己調律を学んだり、聖刻をもつ戦士に調律師が調律を施したりすることは不可能なわけではありません。そういった事実からも、ラジャスと聖刻は同じものであるという見方が強まっています。

「継承」と「ラジャスメイカー」について Edit

 現在、ラジャスを手に入れる方法は、大きく分けて二通りあります。一つは、既にあるラジャスの紋様を「継承」されること、もう一つは「ラジャスメイカー」によって新たなラジャスを刻まれるということです。

 「継承」とは、ラジャスの成熟の証です。成熟したラジャスは、そのラジャスを他者に継承することができるのです。一般的に、継承すると元のラジャスは失われます。「ラジャスメイカー」とは一般的に、真語魔法によって新たなラジャスの紋様を刻むことができるものを指します。
 多くの場合で、ラジャスメイカーは卓越したソーサラーであり、調律師です。七剣連合『海の森』の『獣の母』ウヴェーリなどはまさにこの例です。しかし、これに当てはまらない「ラジャスメイカー」の例もいくつか存在します。同じ七件連合『海の森』の『フォレストクイーン』フォン・ホーミィは、自身はソーサラーではないものの、自身と同じラジャスを部下に幾度も継承した上で、元のラジャスを失っていません。このような例は、「継承」でもあり、「ラジャスメイカー」の一つでもあると言えるでしょう。また、パンドラム共和国の『星々の聖女』レオナは、新たな聖刻を授ける力をもっていますが、彼女自身はソーサラーではありません。どのような仕組みで彼女が新たな聖刻を授けているのかは解明されていませんが、代々の『星々の聖女』は皆、ラジャスメイカーであったと分かっています。さらには、深淵勢力の技術によって刻まれたラジャスも、必ずしも真語魔法に立脚しているとは限らないでしょう。ラジャスを真語魔法によって理解、分解、構築することは、あくまで今の星霜社会で一般化した1つの方法であり、唯一の答えではないのです。

「原典」について Edit

 「原典」とは、ティテュス地方の伝承です。ティテュス地方では、深淵勢力の技術から現在のラジャスを生み出す技術が確立されたわけですが、その技術の始まりには、「原典」となったラジャスが存在したといわれています。

 ラジャスの発揮する力には様々な系統があり、現在では「アビリティ」としてある程度の種類がまとめられています。「原典」はそれぞれのアビリティの元となったラジャスの紋様、パターンなのです。そして、歴史上ではこの原典を継承したラジャスの戦士が、ティテュス地方深淵勢力から奪還する象徴となるような様々な活躍をしたと言い伝えられています。それらの原典と呼ばれたラジャスは脈々と受け継がれていき、現在でも保存されているラジャスもあるといいます。例えば、七剣連合『剣の集いし地』の『レーヴァテイン』グラストンベリーなどは、いくつもの原典を保存し、その適合者を探しているという噂です。

 すべての原典が現在に残っているのかは定かではありません。長く激しい戦乱の中で失われてしまった原典もあることでしょう。また、由来ははっきりとしていませんが、原典である可能性が指摘されているラジャスの例もあります。七剣連合『百牙砦』の『百獣』ハンドレッドのもつラジャスは、深淵によって刻まれたといわれていますが、その実は<ファング系>の原典である可能性があるそうです。

 原典のラジャスは、大変大きな力の塊のようなものです。通常のラジャスと異なり、その出力が安定せず、継承する段階で適合者がかなり限られています。さらには、適合した原典のラジャスをコントロールすることができず、悲惨な末路を迎えてしまったという例もあったといわれています。黎明期にはその強大な力から英雄視された原典のラジャスも、現在のラジャスと比較して必ずしも優れているというわけではないという見方もあります。しかし、それでも原典のラジャスに適合した戦士が強大な力をもった実例が、ティテュス地方の伝承として語り継がれています。その大きな力に期待する声も多く、適合者を探す試みや、原典のラジャスを元に強力なラジャスを生み出す試みなど、様々な研究が進められているのです。

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