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アーベ大公

『大公』アルベトロ・フェンタール

アーベ大公とは、レングラート地方にあるアーべ公国を治める支配者です。
この項では、アーベ大公の地位にある「アルベトロ・フェンタール」について記載します。

オールバックの白髮と長身の痩躯。上品な黒い服に身を包み、温和な表情を絶やさぬこの人物こそ、レングラート地方で最も力のある国アーベ公国を治める支配者です。生まれついての支配者としての威厳と物腰を身につけており、その知恵を湛えた瞳と狙いすまされた言葉は、謁見した多くのものの心をつかむと言われています。
また、同時に老練な政治家でもある彼は、人心を支配する才能だけでなく、知恵と洞察力に優れており、この２５年間、アーべ公国を大なす一連の動きを精力的に行っています。

彼は長らく子がおらず、11年前、ようやく息子ベインが生まれます。老齢ゆえ、息子が長じるまでその地位にとどまれるか＆誰が后に選ばれるかが貴族たちの関心の的でした。しかし、昨年、息子ベイン・フェンタールは、空中大陸にある都フフェルスターンの領主ザール・アウザストラの娘アトリーと婚約し、既定執政官となったことで後継者問題も一応の解決を見たと言われています。

経歴 †

初代フェンタールが作り上げたアーベ公国。その4代目として生まれた彼が、実は次男であったことは、あまり知られていません。
幼い頃からその鋭い知恵と立ち居振る舞い、そして大胆な決断力で将来を嘱望されていたアルベトロですが、ソツのない兄マーダルクがいたため、若いころは若さに任せた奔放な行動も多く、各地を旅して見聞と人脈を作ると共に、冒険者のような事もして経験を積みました。

その彼に転機が訪れるのは、20代後半の頃。兄のマーダルクがとある不幸な事故で急逝してからです。
その事故の詳細は明らかになっていませんが、その事件後、彼は4代目の大公位を受け継ぐものとして、既定執政官として大公家に戻ります。とはいえ、それもすぐに受けたわけでなく、その時期にアルケナル十諸国にいた彼は、数年ほどかの地に留まり、30すぎになってから戻ったのですが。

既定執政官となってからは、その幅広い経験と知識を生かし、様々な業績をあげていますが、中でも特筆すべきは「レングラート同盟」の再確認と強化でしょう。メギアス諸島を支配していたイルドヴァルテ一族が滅んでから、この古い同盟はゆるやかに再確認の作業が進んでいましたが、アルベトロは幅広い人脈という力を活用し、この同盟を再確認させたのです　――　アーベ公国をレングラート地方の覇者とする形で。

また、彼は国内の統治にも力量を発揮し、軍事力を育成すると共に、イド平野や辺境での開拓を推し進め、また、貴族たちへの支配を強めることで中央集権化を積極的に進めることにも成功しました。これらの施策は、35歳の時に正式に大公となってからはさらに加速し、アーベ公国をいっそう大なす原動力となったのです。

個性と特徴 †

アーベ大公家には、初代のフェンタールが遺跡などで集め、代々増やしていった豊富な蔵書があり、彼も、幼い頃からその蔵書に親しんでいました。そして、若い頃に各地を見聞し、ネアムの古代図書館で長い時を過ごしたというアルベトロは、統治に関わる様々な知識もさることながら、〈人〉の遺物など、様々な魔法・歴史・伝承に関する知識も豊富に持っていることで知られます。
彼のその方面の知識欲は、大公となってからも衰えず、賢者の学院やテンプル、そして冒険者の宿などへの支援を通して収集を続けています。その豊富な知識とネットワークは、邪竜騒動の折や、その後の空島との政治的・文化的交流、そして、その他の計画でも遺憾なく活用されているのです。

また、アルベトロは若い頃に身につけたユーモアの才能があり、多くのお固い貴族たちが顔をしかめそうな道化師シムキンを気に入り、よく語らっていることでも知られています。

ステータス †

――この章は書きかけです

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